キリン横浜ビアビレッジ
神奈川県横浜市鶴見区生麦1-17-1 キリンビール株式会社 横浜工場内
京浜急行線「生麦駅」から徒歩10分くらいで到着しました。生麦駅をおりるとすぐ工場が見えてくるため、10分も歩かなくても着くだろうと思っていましたが、見学者用の門までは本当に10分かかります。
体験記 《講義》
最初に2Fの講義室に通され、そこでビールについて、ビール造りの作業内容についての講義を受けました。私は醗酵の世界からはすこし離れた仕事についているため、学生時代の講義の内容を思い出し講義についていくだけで精一杯でしたが、非常に懐かしく久々に授業でつかった本を開いてみたくなりました。説明を受けた後、自分たちの仕込むビールを黒・赤・ボック・ピルスナーから選びます。今回は11月17日の東日本支部総会の乾杯用ということを踏まえながらも、Aグループはボック、Bグループは多数決で赤、と普段よく口にするピルスナーとは違う種類のビールを仕込むことにしました。
講義が終わると、グループ別のエプロン(Aグループ:青、Bグループ:ピンク)をしてテイスティングコーナー奥でいよいよビール仕込み開始。
《実技:糖化→濾過→ホップ添加式まで》
各グループに1人ずつ、醸造技術員の方が担当して指導してくださいました。そこで工程表を見ながら説明を受け、イメージトレーニングしたつもり、でしたが・・・充分でなかったのか、皆様の足手まといになってしまいました。
自分たちのグループの作業台にいくと、選んだビールに合わせた配合の麦芽(粉砕済み)を入れた容器が置いてありその量に圧倒されました。まず最初に50℃のお湯にその麦芽を投入し、常にゆっくりと撹拌しながら温度管理を行いつつ、糖化液を作製していきました。その後徐々に温度を上げていく作業工程があるのですが、この温度管理がとても難しく、最初は慎重にやり過ぎで思うほど温度が上がらず、タイマーを見ながら2℃遅れてる!などといいつつ作業を進めました。ところが途中からこの温度管理のコツをつかみ、指定された速度で寸胴鍋の中の糖化液温度をコントロールできるようになりました。このように麦芽のでんぷんを糖に分解し、出来た麦汁(麦芽)を濾過し、みんなでホップ添加式を行いました。
この一連の作業の合間には・・・・・
- 様々な焙煎具合の麦芽を味見
おつまみにいいかも?!という焙煎具合のものもあれば、コーヒーのようなものまで。
- ホップの味見とホップの香り堪能
想像通り、とっても苦いです。醸造技術員の方が「お水をのんできたほうがいいよ」とおっしゃる苦さ。ホップの味見の際には、「女性ホルモンたっぷりだから、女性にはたくさんあげましょう」とサービスしていただきました。ホップの香りは、すごくいい香りでお家にもって帰ってポプリを作りたくなりました。
- 麦汁の味見
自分たちの仕込んでいる麦汁、ほかのグループの麦汁を味見しました。とっても甘くてこれがビールになるの?というのが正直な感想。後の工程で徐々にビールに近づいていることを実感できました。
《昼食休憩》
お隣にあるレストラン「ビアポート」にて昼食をとりつつ、キリン横浜ビアビレッジでしか飲めないオリジナルビールの試飲。ここでは、同じグループのみなさんのお仕事の話、お仕事の体験談などお聞きすることができて、いつもとは違う分野の話をたくさんできました。研究の立場、技術の立場などといろんな視点から多くの話をできる機会は少ないため、このお昼休憩も実習同様、私にとってはすごく充実した時間となりました。
《実技:酵母添加まで》
お昼休憩・工場見学から戻るまでの間、醸造技術員の方がずっと付きっきりで私たちのお鍋の管理をしてくださっていました。
もどって1番に3回目のホップ添加を行いました。いままでの2回とは異なり3回目は香りを残すためのホップ。ここで味見をさせてもらい「気の抜けたビールだね」の声が左右から聞こえてきました。この味、私は結構すきな味でしたが、麦汁の甘味(糖度は15度以上ありました)とホップによる苦みがまだけんかしている感じで、苦手な人もいたご様子。
最後は氷水で冷やした冷却管を通し、できた麦汁を冷やして醗酵タンクへと移しました。ここに酵母を添加し私たちの作業は終了です。あとは技術員の方が醗酵→熟成→瓶詰め作業を行ってくださるとのことでした。
《終了式》
9:30〜16:00までの作業が終了し、テイスティングコーナーで試飲ビールをいただきながら、終了式。ここでは途中グループごとに撮影した写真が終了証となって渡されました。
最後に
今回は、初めて東日本支部主催のイベントに参加させていただきました。当日参加するまでは知っている方も少なかったため不安もありましたが、そこは心配することなく、初参加でもすぐにみなさんの輪に入っていくことが出来ました。
また、酒造りに興味があり醗酵工学を選考し勉強したにも関わらず、一度もきちんと実技体験をしたことのない私にとっては、今回のビールづくり教室は願ってもないチャンスであり、非常に貴重な体験をさせていただくことができ、とても充実した1日を過ごすことができました。
みんなとっても丁寧に愛情をたっぷりこめて、仕込みをおこなってきたビール。きっとおいしいビールに仕上がっているに違いありません。東日本支部総会で乾杯のあとに、皆さん間髪入れず「うまいっ!」とビールを味わっている姿を想像しつつ、体験記を終わります。
今回東日本支部の一員としてこの企画に参加させていただいたこと、また今回の企画に尽力くださった東日本支部事務局の皆さん、杉原さん、南さんに感謝しております。本当にありがとうございました。
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